【Hardware】黒電話 600-A2 を分解してみた①
以前オークションで落札した黒電話です。
レトロな電子機器には不思議な魅力を感じます( ╹◡╹)
最近の電子機器は小型化・高集積化が進んできて、ピン間3本くらいのプリント基板にSoCとメモリを中心にチップ部品を詰め込んだ4層または6層基板。機能を出すのは殆どを組み込みシステム…
というのがメジャーになっていると思います。
しかし、こういうレトロな製品はSoCは勿論搭載しておらず、電子回路と機械的な動作で機能を出しています。
当然、組み込みシステムよりも出せる機能はずっと単純なものですが、、
どうやって機能を出しているのか、その仕組みが、自分の目で見れるという楽しさがあります。
それでは早速分解をすることにします。
あけるとこんな感じ
送受話器
ご覧の通り耳と口をあてて、相手からの声を聞いたり自分の声を相手に出したりするユニットです。
要はスピーカとマイクです。
鐘と撥
電話がかかってくると撥が振動して両サイドにある鐘をガンガン叩きます。
これにより黒電話の代名詞とも言える、あの「ジリリリリリリリン」という呼び出し音が鳴ります。
ちなみに、次回以降で触れますが、呼び出し音は国によって鳴り方が決まっています。
日本では1秒鳴って2秒休みます。アメリカなら2秒鳴って4秒休む。欧州なら0.4秒鳴って0.2秒休んで0.4秒鳴って2秒休む
だったと思います。
公衆回線とのI/F
写真の部位からさらにモジュラーケーブルを延長させて壁のモジュラージャックに接続します。写真では分からないのですが2pinです。信号名はL1/L2と呼びます。
公衆回線へ接続するには定められた試験に合格している必要があります。「回線に損傷を与えない」「他の人の迷惑にならない」「端末と公衆回線との分界が明確である」を確認するための試験です。
試験に合格している機器はこういうマークが表示されます。
フックスイッチ
送受話器が置かれたか上げられたかを確認するためのスイッチです。
置かれた状態を「オンフック」、上げられた状態を「オフフック」と呼びます。
ダイヤル
黒電話で電話をかけようとした場合、まずは、所望の番号に指を差込み、所定の位置まで回し指を離しますが、指を離して元の位置にダイヤル盤が戻るまでの間にダイヤルが行なわれています。
具体的にはこの間にダイヤルパルスというパルスを発生させています。パルスは2なら2回、5なら5回、0なら10回発生します。交換機はこれを認識するので相手に電話をかけることができます。
次回以降は各ユニットの詳細について知っている範囲で書いてみたいと思います。