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Chat GPTにセンター試験数学Ⅰちょっと解かせてみた

少し前から世間をにぎわすChat GPT。私もsign upして試しに使い始めてます。

一般リリースに合わせYoutubeでも人間の仕事が奪われるとか奪われないとかどこどこ大学の期末試験で使われてるとか、関連動画欄を埋め尽くしてます。

「〇〇について述べよ」とか「△と×の関連性についてまとめよ」とか明らかにChat GPTが得意そうな自由記述問題を試しても、どーせ膨大なデータをバックボーンに理路整然とそれらしい答えを持ってくるので、そういうのはやめて、センター試験数学Ⅰ過去問が解けるか興味で試してみました。

出題元はこれです。センター試験受けたのなんて20年前ですが、そんなに大きくは変わってないんですね。

※chat GPTに合わせ、回答が記述できるよう入力時に問題文の一部を調整してます。

第一問
<入力文>
[1] aを定数とする。 直線l:y=(a^2 - 2a -8)*x + a の傾きが負となるaの範囲を教えて。

<chat GPTの回答>
直線lの傾きをmとおくと、 m = (a^2 - 2a -8) この傾きが負であるためには、 a^2 - 2a -8 < 0 が成り立つ必要があります。
これを解くために、まず左辺を因数分解します。 (a-4)(a+2) < 0 となります。ここで、左辺が負になるためには、(a-4)と(a+2)のどちらか一方は負になり、他方は正になる必要があります。つまり、aが-2より小さく、4より大きいとき、左辺は負になります。したがって、aの範囲は以下のようになります。
a < -2 または a > 4 以上が答えとなります。

惜しい!! aが-2より大きく4より小さいとき左辺は負になります。-2<a<4が正解。
でもすごい。間違いは人間でもありがちな不等号の向きくらいで、アプローチ自体はとても正確。

ただし入力文の*を書かないと頓珍漢な計算過程を出してきます。このあたりの解釈の融通は利かないもよう。

第二問
<入力文>
a^2 -2a -8 ≠ 0とし、直線l:y=(a^2 - 2a -8)*x + a とx軸との交点のx座標をbとする。 a>0の場合、b>0となるaの範囲を教えて。


<chat GPTの回答>
まず、a^2 - 2a - 8 ≠ 0 から、(a-4)(a+2) ≠ 0 であることがわかります。したがって、a ≠ 4 かつ a ≠ -2です。次に、直線lがx軸と交わるためには、y = 0 と置けば以下の式が成り立ちます。
0 = (a^2 - 2a - 8)*x + a

これをxについて解くと、x = a / (8 - 2a)となります。

ここで、a > 0 の場合、分母と分子の両方が正であるため、xは常に正の値を取ります。したがって、b > 0 であるためには、a / (8 - 2a) > 0 が成り立つ必要があります。

a / (8 - 2a) > 0 を満たすためには、分母と分子の両方が正または負である必要があります。分母 8 - 2a > 0 を解くと a < 4 であり、分子 a > 0 を満たすため、最終的に 0 < a < 4 が条件となります。
よって、a>0の場合、b>0となるaの範囲は 0 < a < 4 です。

なんか複雑な解き方してる気がする…。てかa^2どこ行った?? なんか符号もあやしい。最終的に答えは合ってるけど。

計算なら-a /(a-4)(a+2)  > 0 としてa>0なので、分母の(a-4)(a+2)<0で、かつa>0となる必要がある、よって0<a<4 と解くものと思ったが… グラフで直線を書けばもう少しシンプルに解けそう

第三問
<入力文>
a^2 -2a -8 ≠ 0とし、直線l:y=(a^2 - 2a -8)*x + a とx軸との交点のx座標をbとする。 a<=0の場合、b>0となるaの範囲を教えて。


<chat GPTの回答>
まず、方程式 a^2 -2a -8 ≠ 0 を解くと、(a-4)(a+2) ≠ 0 です。よって、a ≠ 4 かつ a ≠ -2 です。
次に、直線 l と x 軸との交点を求めるために、y=0 とおいて、x を解くと、b = a+2/(a-4) となります。
a≤0 の場合、b>0 となる a の範囲を求めるには、b > 0 を満たす a の範囲を求めればよいです。

b > 0 を満たすためには、a+2/(a-4) > 0 を満たす必要があります。これを不等式で解くと、a < -2 または 0 < a < 4 です。
よって、a ≤ 0 の場合、b > 0 となる a の範囲は、a < -2 または 0 < a < 4 です。

なんでやねん! この1行の中で矛盾しとるやないか!

第四問
<入力文>
a^2 -2a -8 ≠ 0とし、直線l:y=(a^2 - 2a -8)*x + a とx軸との交点のx座標をbとする。 a= √3の場合、bの値を教えて。

<chat GPTの回答>
a^2 - 2a - 8 ≠ 0 を満たすような a の値を求めると、
a^2 - 2a - 8 ≠ 0 (a - 4)(a + 2) ≠ 0
となります。したがって、a ≠ 4 かつ a ≠ -2 となります。
次に、直線 l の x 軸との交点を求めます。x 軸との交点では、y = 0 となるため、
0 = (a^2 - 2a - 8) * x + aとなります。

a = √3 の場合、この式は、0 = (3 - 2√3) * x + √3となります。したがって、
x = -√3 / (3 - 2√3)

分子と分母に 3 + 2√3 を掛けて、式を整理すると、
x = -√3 / (3 - 2√3) * (3 + 2√3) * (3 + 2√3) / (3 + 2√3) = -3√3 / (11 - 4√3)
よって、a = √3 の場合、直線 l と x 軸との交点の x 座標 b は、
b = -3√3 / (11 - 4√3)
となります

-8xどこいった??

どうやらchat GPT君は文字を含む計算をさせると一部の数字が抜け落ちるというおっちょこちょいな面があるようです。

でも最後、何も言わずとも分母を有理化してくれてるのは素晴らしい!


もう入力がだるいので今日はここまで。次回は別の問題を解かせてみようかな。


Google検索の場合、吐き出された検索結果から、自分が欲しい情報とそうでない情報とを仕分けて、さらに、その情報が間違いってないかバリデートする2ステップが必要。chat GPTだと少なくとも前者のステップはskipできそう。これは革新的進歩。


・でも結局chat GPTの回答が正しいかどうかバリデートする能力は現状、必要ではあるので、宿題分からないからchat GPTをまるまるコピペしよーっていうのは向かない。解法の手引き知りたい、あとは自分で考えてやるよというタイプの人には大助かりだと思う。

・人間の作るような自然な文章を生成してくるので、パっと見、説得力がある。よーく読むと小さな矛盾もあるけど。大学にありがちな「〇〇について考えを述べよ」系のレポートにはうってつけ。